素直になれない、金曜日
きっと、今私がいなくなったって、誰一人として気づきやしない。
それならいっそ、もう消えてしまいたい。
消えてしまってもいい。
だって、私一人いなくなったところでこの世界はきっと何も変わらない。
もうそんなの、存在しないのとほぼ同じだもの。
頭の中でぐるぐると考え込むうちに
どんどんとその渦に沈みこんでいく。
自分が、だいきらいだ。
何も出来ない自分が、何もしない自分が、きらいだ。
ましてや、口に出さなくても一度でも妹のせいにした自分なんてゆるせそうにもない。
お母さんが、とられた、なんて。
生まれたばかりの幼い赤ちゃんなんだから、そんなの当たり前のことなのに。
可愛い妹を心待ちにしていたのは私で、可愛がっているのも私なのに。
その妹に心の中でだけでも八つ当たりするなんて最悪最低だ。
心の底から自分を軽蔑して、そこからはもう立ち上がれそうになかった。
渦の中で悩んで悩んで、私は結局次の日に熱を出した。