もういちど、あの海で




嘘でしょ?覚えてない、話しかけんな。



もう俺のことは忘れて?



涙で顔がぐちゃぐちゃになっていると自分でも気づいた。



我に返り、薄汚れた床に視線を落とす。



その場にいられなくなって逃げ出す。



「愛音ー!!」



「…」



花梨の声にも聞こえないフリをした。



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