バレンタイン・セレナーデ
『ああ、俺。弦が切れた。ストックがない。今すぐ持って来て』

「……今、何時だと」

『21時4分。お、2月14日だから、214214だな。電話に出たってことはまだ店にいるんだろ?』

この、王様め!
天才だからって何もかも許されると思ってるな!

……まあ、その我儘を許せて、しかも会えることになって嬉しいと思うあたり、私は彼に恋をしているんだと今更ながら自覚する。
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