拝啓 茉白、愛しい君に花束を。

過去は闇夜ほどに汚れていた。

目が覚めたら、見慣れた部屋にいて。


自分の部屋の芳香剤の匂いがする。


なんでここにいるの。


「水……。」



考えるよりもさきに喉が渇いて、立ち上がった瞬間。


「きゃっ………!」



足に力が入らなくて、座り込んでしまった。


「バカだなぁ…」
フッと笑おうとしたとき、気づいた。




笑えない。
< 31 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop