包み愛~あなたの胸で眠らせて~
しかし、オフィス内では、下の名前で呼ばないようにと気をつけていたはずなのになぜ広海くんは呼んでしまったのだろう。広海くんに限ってうっかりはないと思う。
困惑して広海くんを見ると、彼はなぜか不敵な笑みを浮かべていた。そして、広海くんらしくなく渡部さんに立ち向かう、
「付き合っているなら呼んでもいいんでしょうか?」
「え? だって、この前聞いたときは付き合ってないと言ってたわよね?」
「はい、今も付き合っていません。だけど、俺は紗世が好きだから付き合いたいと思っています」
広海くんがさらっと言ったことに私と渡部さんは同時に驚きの声を出した。
「えっ?」
「ええっ!」
「うわっー」
「おおっー!」
驚きの声は二つではなく、廊下の方からも聞こえて中にいた私たち三人はドアの方に目を向けた。ドアは半分ほどしか閉まっていなく、そこに五つの顔があった。
部長に課長、堀田くん、星野さん、あと同じ課の男性……。
いつから見られていたのかは知らないけれど、今の広海くんの言葉は確実に聞いていたようだ。広海くんは首の後ろをかきながら、ため息をつく。
困惑して広海くんを見ると、彼はなぜか不敵な笑みを浮かべていた。そして、広海くんらしくなく渡部さんに立ち向かう、
「付き合っているなら呼んでもいいんでしょうか?」
「え? だって、この前聞いたときは付き合ってないと言ってたわよね?」
「はい、今も付き合っていません。だけど、俺は紗世が好きだから付き合いたいと思っています」
広海くんがさらっと言ったことに私と渡部さんは同時に驚きの声を出した。
「えっ?」
「ええっ!」
「うわっー」
「おおっー!」
驚きの声は二つではなく、廊下の方からも聞こえて中にいた私たち三人はドアの方に目を向けた。ドアは半分ほどしか閉まっていなく、そこに五つの顔があった。
部長に課長、堀田くん、星野さん、あと同じ課の男性……。
いつから見られていたのかは知らないけれど、今の広海くんの言葉は確実に聞いていたようだ。広海くんは首の後ろをかきながら、ため息をつく。