包み愛~あなたの胸で眠らせて~
昔のように素直になれたのは、絶対広海くんのおかげだ。

彼と付き合うようになって、今まで抑えていた感情や行動が素直に出せるようになった。

会社では迷うことなく自分の能力を発揮できるようにもなった。広海くんが見守ってくれるから安心して、自分らしくいられる。

二人を見送ったあと、広海くんは私を見て笑い、私の頬に手を触れる。


「紗世まで泣いちゃって」

「えっ、あ、我慢していたんだけどね」


頬には涙の跡が残ってしまっていたようだ。みんなの思いが切なくて、涙が流れてしまった。

気付かれないようそっと拭っていたのだが、ばれていた。


「紗世、一緒にいてくれてありがとう」

「ううん、でもちゃんと話せて良かったね」

「うん。紗世がいなかったら、母さんをここには入れられなかったし、手紙の存在も知ることはなかった。紗世がいてくれたから受け入れることが出来た」

「おばさんが広海くんをずっと想っていてくれたのを知ることが出来て、良かったよね」


満足そうに頷く広海くんの手を握る。彼の手は大きくてあたたかい。
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