包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「隙がないと、言われたことをないですか?」

「えっ?」

「いきなり変なことを聞いてしまいますけど、片瀬さんは誰かと付き合ったことありますか?」

「あるわよ、一応」


一応ある。一応という程度のものだけど、付き合った人はいる。


1年と決して長くはない期間で、その間デートも数えることが出来る程度しかしていないが、確かにあの人は彼氏と呼べる人だった。

あの人の顔を思い浮かべてた時、星野さんが明るい声を出す。彼女は全部洗い終わり、ハンカチで手を拭いてにこやかに笑っていた。

「そうなんですね! じゃあ、男性が苦手ではないですよね?」

「うん、まあ、そうね」


星野さんが何のためにそんな話をしているのか分からなかったが、なんとなく嫌な予感がした。

目を輝かせてこちらを見てくるから、つい逸らして最後のカップを念入りに拭く。


「今度皆さんでご飯を食べませんか? 私、どこか予約しておきます」

「皆さんって、どんなメンバー? 大人数?」


皆さんというなら一人ではなく複数人だと思われる。その中に広海くんが含まれているのか、気になった。
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