私にはあなたでした。
少し緊張しながら奥へ進んでいく。

…なにげに女の人の部屋に入るの初めてなんだよな…。

寝室らしいところにたどり着くと、
部屋の真ん中にベッドが1つ。

…とりあえず寝かしておいて後はちえさんに任せよう。

そう思い、白石さんをベッドまで運ぶ。

「…よし、」

ベッドに白石さんをそっと離し、
寝室を出ようとした時

いきなり左手を掴まれ、
気づけば白石さんの上に覆いかぶさったような状態になっていた。

…やべぇ。白石さんが起きたら絶対誤解される…。

俺はゆっくりと、白石さんを起こさないように離れようとする。

しかし、そんな俺の行動とは逆に
白石さんの腕は俺の背中にまわっていた。

……離れられねぇ…。

そう思った瞬間、
俺の視界は白石さんでいっぱいになったかと思うとすぐに見えなくなった。


「…ちゅ」


静かな2人だけの世界にリップ音だけが鳴り響く。

俺の時間はそこで止まったかのように
動くことができなかった。

そして、数分後
背中にまわされた腕が少し強くなったのを感じると
白石さんが口を開いた。

「……風夏汰…。」








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