きみが虹を描いてくれた青空の下で

近くに座っている人たちはこの状況をわかってるはずなのに、スマホ画面ばかり見てる。

話しかけないで、巻き込まないで、って言ってるみたいに。

おろおろしてたらスピーカーから車内アナウンスが響いた。


「ご乗車中のお客様に申し上げます。車内に緊急を要する体調のお客様がいらっしゃいますため、停留所をふたつ通過いたしまして、啓成大学附属病院前に向かいます。通過の停留所をご利用のお客様におきましては何卒ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます」


このまま病院にノンストップで行くんだと思ったら、少しほっとした。
さっき逃げて前に行った人がこっちを見ながら運転士さんになにか話してる。
あの人が言ってくれたんだ……

八起くんの学校は通りすぎちゃうけど、これならたぶんあと10分かからないで着ける。

< 109 / 120 >

この作品をシェア

pagetop