きみが虹を描いてくれた青空の下で
「あ、あの」
少し離れた席から男の人がやってきて、私に声をかけてきた。
お父さんくらいか、もう少し若そうな、サラリーマンのおじさん。
「は、はい」
「もしかしたら、ここで生まれちゃうかもしれないかなって。うちのカミさん、二人目破水してから車で病院に向かってる途中で産んだから」
「えっ!? 車の中でですか!?」
「そうなんだよ。何か月?」
「わからないんです。さっき、乗るとき少し話しただけの人で……」
「そうなんだ。とりあえず、着く前に病院に連絡しよう」
「は、はいっ」
おじさんはスマホで啓成の番号を検索して、電話をかけた。
出て! 早く! 早く出て!