わたしのキャラメル王子様
前方に、見慣れた長身の後ろ姿が見えた。
クラスの男子たちと何か話しながらのんびり廊下を歩いているのは間違いなく悠君だ。
後ろから同じクラスの女子たちが駆けよって、そこはいつの間にかちいさな集団になった。
「えっ、おまえ泣いてんの?」
「別に泣いてないもんっ」
「俺はギリ踏みとどまったけど」
「あれはマジやばかった」
必殺、地獄耳でもって遠くのその会話に集中したけれど、どれが誰の感想かさっぱりわからなかった。
ちらりと悠君の横顔が見えるだけで。
「同じクラスってやっぱりいいなぁ」
「なんでー?」
「だってあんなふうにすぐ感想を言い合えるんだもん」
ポツリと本音をこぼしてしまったら
「なんか今日の沙羅かわいいね?」
京ちゃんに笑われてしまった。
クラスの男子たちと何か話しながらのんびり廊下を歩いているのは間違いなく悠君だ。
後ろから同じクラスの女子たちが駆けよって、そこはいつの間にかちいさな集団になった。
「えっ、おまえ泣いてんの?」
「別に泣いてないもんっ」
「俺はギリ踏みとどまったけど」
「あれはマジやばかった」
必殺、地獄耳でもって遠くのその会話に集中したけれど、どれが誰の感想かさっぱりわからなかった。
ちらりと悠君の横顔が見えるだけで。
「同じクラスってやっぱりいいなぁ」
「なんでー?」
「だってあんなふうにすぐ感想を言い合えるんだもん」
ポツリと本音をこぼしてしまったら
「なんか今日の沙羅かわいいね?」
京ちゃんに笑われてしまった。