umbra 〜約束の日〜 Ⅱ
「善処する。」






ため息をつきながらも手当てをしているやつ。やっぱりこいつは若頭で間違いなさそうだ。









「俺をなんのために連れてきた?」








俺を脅していた桐谷組である鹿島がいない今、俺を縛るものは何も無い。






・・・だた1人の行方を除いてだが。







『ただの気まぐれだ。』










気まぐれ? そんなもんで俺の運命を片付けられたくない。





「鹿島はどこだ? お前らのとこにいるんだろ?」








俺の妹の場所はアイツしか知らない。アイツがいなくなった今しか助けられるチャンスはない。








『あいつなら喋れる状態じゃないだろう。組同士の争いはいつだって地獄なだけだ。』





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