umbra 〜約束の日〜 Ⅱ
『うるさい。』









そういって燐は電話を切った。途中から話の内容は聞こえなかったが、間違いなく、嫌なことがあったんだろう。








『櫻井、今から出かけてくる。車だせ。』










あの人櫻井っていうのか。すっかり名前聞くの忘れてたからちょうどよかった。









『滝沢・・・暁人は客間に戻ってろ。この家の中なら何しても構わない。』









「あぁ。」









「じゃあ、先に車出しておくので、準備できたら来てください。」









『分かった。』


















燐と櫻井さんがここをでて、俺は本当に知り合いがいなくなった。
でも、俺からするとこれは好都合だったりもする。
・・・何でもしていいんだろ?









俺は人気のいる場所を探してさまよった。で、たどり着いたのが居間らしきところ。











「しつれいしまーす」










「アァ? 誰だテメェ。」







空けた途端族とは違う殺気が漂う。正直、チビるかと思った。

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