私が恋をしたのは小説家でした
それからというものは

特に変哲もないのは

私のコミュニケーション能力がないせいである

それでも同じ班になるので

自然と会話することがあった

致し方がなし

そんな使い慣れてない言葉を

心の中でぼそっと呟いては

なんだかんだ話ができることに

喜びを感じていたのは自分でも気づいていないんだろう

私は昔からほんの少しだけ美術が得意なので

よく周りの人間から

どうやったら上手になるのかという

意見を求められることが多かった

そして、その意見は求める人間の中には

その男も混じっていた

また、私の心はふわふわと浮いたような感じになる
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