私が恋をしたのは小説家でした
その頃から少し違和感は感じていた

なんだろうこの浮いたような気持ちは

気付こうと思えば気付けたのであろう

しかし、私は築こうとしなかった

きっと気づいてしまったら

どうにもならないことをわかっていたからだ

そして、もうひとつ気づいていた

その男は同じクラスにいる

華奢な、女に好意を持っているということだ

自分では自分の恋愛というものが

理解できないのであるが

なぜか人がどのような人に

どのような感情を持っているのかが

なんとなくわかるんのであった

嬉しくもない
< 6 / 19 >

この作品をシェア

pagetop