シンデレラは脅迫されて靴を履く
ガチャ…
「着替えたか。行くぞ」
先程までの荒々しさはもうなかった。
終わったとき、雅爾さんは一瞬つらそうな、悲しそうな表情をした。
その気持ちを信じたい自分もいたが、それ以上に衝撃的だった。
あんなことが過去にあったというのに…
「副社長…荷物を取りにいかなければならないので…」
「ああ、佐伯に頼んで俺の車にもう入っている。
時間が惜しい。いくぞ」
先回り…どこまでも腹黒。
エレベーターに乗せられ、最上階から地下の駐車場まで一気に降りる。
国産車のセダン。
この車も変わらない。
「…お前を探すのは一苦労だった」
「え…?」