この恋を忘れずにはいられないんだろう

『…殴らないの?』

『…っ、』


ほんとは、今日、ぶちまけて、はっきりさせて、

一発殴って、すっきり終わらせるつもりだった。


なのに、


『……、なぐれない…、っ。』


彼の顔を叩いて、怒りをぶちまける事が出来なかった。



『…だと、思った。』


彼が言って、


『そんな、らしくないこと出来ないって思ってた。』

『…っ。』

『ごめんな。怒る事も、させてやれなかった。』

『…っ、…ふっ、くっ、…。』


『離れたくないって思ったら、もう二度と透子に触れないんだって思ったら、』

『…っ、』


『分からなくなった。』


あたし達は、間違っていたのに。



『透子と別れる方法が、…分からなくなったんだ。』

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