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「迷ってたら丁度、職員室に入る透哉君見つけたから待ってた」

「ここで?めちゃ分かりにくいな」

「だってあまり一緒に居る所他の人に見られるの嫌かな、と思って」

「え、なんで?」


むしろそんな事、何も考えていなかった。

それは俺より、先輩じゃねーの?


「うーん…なんとなく」

「なんとなく?」

「ほ、ほら昨日、一緒に帰った時、周りの視線凄かったから。それに…思ったけど彼女の前で申し訳なく思ったから。大丈夫だった?むしろ今日も悪いなって思って」

「…って言うか、俺、女いねーんだけど」

「え、そうなの?昨日の人、彼女じゃないの?」


つかどんな勘違いしてんだよ。

それに昨日向けられてた視線は俺じゃなくて、芹奈先輩だっつーの。


「なんでそう思ったのか知んねーけど、違う」

「あ、ごめん。そうだったんだ。あの後、晴馬と出会って。例の彼女か、なんて呟いてたから…」


すげぇ勘違いだし、晴馬先輩もややこしい言い方すんなよな。

マジ迷惑な話。


「言っとくけど俺、女が居たら他の女と帰ったり飯食いに行ったりなんてしねーから」


なぜかここだけはキッパリと言い切りたかった。

その部分だけを強調して。

別に他の女なんかどうでもいい。だけど芹奈先輩にだけは勘違いしてほしくない。


「あ、そうなんだ…」


信じてないその呟きは何なんだろうか。


「俺、適当そうに見える?」

「適当って言うか、晴馬の友達はみんな軽そうに見える。でも晴馬の友達だから悪い人じゃないって思った」

「正直に言うね」


フッと思わず鼻で笑う。

みんなが騒いで騒ぎまくってた芹奈先輩が目の前にいる。

憧れはあったものの別に興味すらなかった俺が、何故か惹かれてると思うたびに、この人の内に秘めたものを全て知りたいと思った。


そんなアンタは何故、俺に構う?
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