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「今、話の途中だろ」

「もういいっすよ。この前聞いたし」

「いや、お前は言った上にもう一度言わないと」

「はぁ?くそだるいわ」

「それに明日、テストするぞ」

「は?」

「これ渡した時に言っただろ」


プリントをヒラヒラする担任に、思い出したかのようにげんなりする。


「もう勘弁して。明日用事あっから」

「じゃ、今からするか?」

「もっと勘弁して。もう帰るわ」


スタスタ足を進める俺の背後から「明日な、明日だからな!」とどめを刺す様に担任の声が突き刺さる。

まじ面倒くせぇし、まじ怠い。

お陰で何分あの場所で佇んでたのかも分かんねえし、むしろ芹奈先輩は帰ってんだろーな。なんて思いながら靴を履いた。


一瞬、3年の教室まで行こうかなんて思ったけど、あの人の教室すら分かんねえし、だからと言って晴馬先輩に聞いても面倒になる。

あ、確か晴馬先輩と同じクラスだっけ。


だけどもういい。頭の中が半分その言葉で埋まる。


気怠いまま正門を通り過ぎると、「透哉君っ、」その声に必然的に俺は振り返った。


「あ、芹奈先輩…」

「なに、そのどうでもいい呟き」


正門にもたれ掛かる様にしていた先輩はフっと柔らかい笑みを俺に向け、壁から背を離す。


「いや、帰ったかなーって思って」

「待ち合わせ場所、何も決めてなかったね。あの後、別れた後に気付いてさ、どうしようって思ってたの」

「俺も」


長い髪を耳に掛けながら困ったように芹奈先輩は頬を緩め、その表情で俺も自然と笑みが零れた。
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