最恐ドクターの手懐けかた
「母子ともに、元気ですよ」
バルコニーに立つ遠藤先生は、ビクッと飛び上がる。
そしてゆっくりと首を回し、私を見た。
その顔はやっぱり殺意に満ちている。
「てめぇ……
俺の醜いザマを笑いに来たのか」
地獄の底から出てくるような声で私に言う。
こんな遠藤先生に近付きたくなかった。
むしろ、彼の言う通りザマアミロと笑ってやりたかった。
それなのに、初めて見たその弱さに胸が痛んで仕方がない。
「笑いたいんです。
でも……笑えないです」
もやもやした気持ちで吐き出した私に、
「てめぇ、喧嘩売ってんのか!?」
苛ついたように遠藤先生は言う。