最恐ドクターの手懐けかた
そんな中……
遠藤先生の携帯が振動する。
「はい」
電話に出た遠藤先生は、大きなため息をついた。
「分かりました、すぐに行きます」
そして、私たちに向き直る。
「病院から呼び出しがあった。
畑中先生が緊急オペに入るのと、出産が迫っている産婦がいるから手に負えねぇんだと」
看護師は激務だと思う。
そして、産婦人科医だって然りだ。
うちの病院は産婦人科医の数が多いといっても、それでも残業時間は想像を超えているだろう。