最恐ドクターの手懐けかた






そんな私の顔に……

遠藤先生の手が伸びる。

消毒で荒れたその手は……



びよーん!!


思いっきり私の頰を引っ張る。

そして、意地悪な表情で遠藤先生は言い放った。




「そんなにむくれてると、ブスがブスになるぞ」





ひっ、酷い。

自分が多少、いや、かなり顔がいいから調子に乗りやがって。

逆に言えば、遠藤先生の取り柄って顔しかないくせに!!





思いっきり引っ張られてヒリヒリ痛む頰を撫でながら、遠藤先生を睨む。

奴はもう私に背を向けて、カルテを記入し始めていた。

その背中に抱きつきたいなんて、愚かな衝動をぐっと我慢する。





仲直りはしたものの、私たちの関係は後退した。

遠藤先生はセクハラをやめてしまったし……あの時のキス未遂なんて、幻かとも思う。

もう一回遠藤先生に触れたい。

セクハラでも何でもいい、私を安心させて欲しい、そう思うのだった。



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