最恐ドクターの手懐けかた
難しい顔の私に、遠藤先生は言う。
「すげぇ憎かった。
でも、小野先生も最善を尽くしたんだし、どうしようもねぇじゃん?
……俺だって、担当した患者の子供を亡くしたことはある。
俺たちにとってもすげぇ辛いんだよ、担当患者が亡くなるっつーことは」
血の通っていない鬼の遠藤先生でも、そんな感情があるのか。
いや、分かっていたことだが、遠藤先生は実は患者思いで優しい。
きっと、他のどのスタッフよりも。
そして、意外にも大人だ。
「なんだその顔は」
彼は私を見てほくそ笑む。
いつもの馬鹿にしたような笑みだが、天使の微笑みのようにさえ思えた。