最恐ドクターの手懐けかた





難しい顔の私に、遠藤先生は言う。




「すげぇ憎かった。

でも、小野先生も最善を尽くしたんだし、どうしようもねぇじゃん?

……俺だって、担当した患者の子供を亡くしたことはある。

俺たちにとってもすげぇ辛いんだよ、担当患者が亡くなるっつーことは」





血の通っていない鬼の遠藤先生でも、そんな感情があるのか。

いや、分かっていたことだが、遠藤先生は実は患者思いで優しい。

きっと、他のどのスタッフよりも。

そして、意外にも大人だ。





「なんだその顔は」




彼は私を見てほくそ笑む。

いつもの馬鹿にしたような笑みだが、天使の微笑みのようにさえ思えた。


< 174 / 273 >

この作品をシェア

pagetop