最恐ドクターの手懐けかた
この手の質問は苦手だ。
出産を今か今かと待っている産婦に、水を差すことになってしまうかもしれない。
もっと言えば、不安にさせてしまうかもしれないから。
だけど、私たち医療者は神様ではない。
だから、いつ生まれるかなんて……分からないのだ。
「個人差がありますから。
すぐに生まれるかもしれませんし、明日、いや明後日になるかもしれません」
私の言葉に、案の定森田さんは暗い顔になる。
こんな顔を見るのも辛いが、私の出来ることと言ったら、
「森田さんが元気な赤ちゃんを産めるように、全力でサポートしますから」
ただそれだけだ。