最恐ドクターの手懐けかた
遠藤先生なんて大嫌いだった。
弱みを握った時、復讐してやる気満々だった。
だけど、患者思いのところとか、馬鹿なところとか、意外な遠藤先生を知るたびに惹かれていった。
遠藤先生が好きだ、大好きだ。
俯く私の頰に、その大きな手がそっと触れる。
そして、甘い声で私を呼ぶ。
「奈々」
その声で、再び名前を呼んで欲しかった。
優しく笑いかけて欲しかった。
胸を引き裂かれ、新たな涙を流す私に、彼は優しく告げる。