最恐ドクターの手懐けかた





遠藤先生なんて大嫌いだった。

弱みを握った時、復讐してやる気満々だった。

だけど、患者思いのところとか、馬鹿なところとか、意外な遠藤先生を知るたびに惹かれていった。

遠藤先生が好きだ、大好きだ。






俯く私の頰に、その大きな手がそっと触れる。

そして、甘い声で私を呼ぶ。




「奈々」





その声で、再び名前を呼んで欲しかった。

優しく笑いかけて欲しかった。

胸を引き裂かれ、新たな涙を流す私に、彼は優しく告げる。


< 267 / 273 >

この作品をシェア

pagetop