最恐ドクターの手懐けかた
私は準備を整えて、ナースステーションを飛び出していた。
私が漢マンに気を取られている間もずっと、森田さんは陣痛と戦っていたんだ。
長い長い戦いになってしまったけど、その赤ちゃんを取り上げられると思うとすごく嬉しい。
赤ちゃんを見て涙を流す産婦を見ると、助産師をやっていて良かったと心から思う。
病院というとネガティブなイメージだが、産科だけは違う。
心からの患者の笑顔に出会える科なのだ。
森田さんは歯を食いしばり、ベッドの柵を握りしめ、額に汗を浮かべて震えていた。
その白い頰を涙が伝い、痛い痛いと悲鳴のような声を上げる。