最恐ドクターの手懐けかた








勤務を終え、更衣室で私服に着替える。

今日の服装は、トレンチコートに細身のブラックデニムだった。

ブラックデニムとはいえ、ジーンズを履いてフォアグラを食べに行ってしまってもいいのだろうかという疑問が頭をよぎる。

でも……相手は遠藤先生だ。

遠藤先生との食事なら、ジャージくらいがちょうどだろう。

そう思って更衣室を出て、待ち合わせ場所である病院の駐車場へと歩く。

そんな私を聞きなれた声が呼んだ。




「冴木」





振り向いた私は……固まっていた。

というより、猛ダッシュで逃げたくなった。


< 64 / 273 >

この作品をシェア

pagetop