愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
反論しながら、頭の中でひとつの言葉が引っかかる。俺のことを……?

「雫さん、俺のこと……今、好きって……?」
「好き!大好きだよ!最初はカッコイイし、結婚相手にぴったりくらいにしか思ってなかった。だけど、一緒に過ごすうちにどんどん高晴さんのこと大事になって、もっと仲良くしたいって思って、好きになってほしいって……」

ぽろぽろと涙をこぼす雫を、俺は腕の中に引き寄せていた。
心臓がどかどかと鳴り響きだし、声が震える。

「うそみたいだ」
「嘘なんかついてない!」
「俺も雫さんが……雫が好きだ」

雫が身動ぎするので逃がすまいときつく抱き締める。情けなくも俺の手はぶるぶる震えていた。

「見合い写真を見て一目惚れしたんだ。小さい頃の記憶も全部ある。幼く妹みたいだったきみが美しく成長した姿に夢中になった。どうしても結婚したくて、いい条件をたくさん提示して気を引いたんだ。きみに好いてもらいたくて、必死だった」
「高晴さん……そんな……嘘でしょう」

あべこべに雫が聞き返してくる。その声は涙でかすれ、小さかった。

「俺だって嘘じゃない!きみの趣味を一緒に楽しむ権利をもらえて嬉しかった。恋愛経験がないと知って、きみのすべてを独占できることを神に感謝した。大事にしたかったんだ。俺の人生をかけた恋だったから。それなのに……」

あんな形で抱いてしまった。信頼関係を損なうようなやり方で。

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