よくばりな恋 〜宝物〜
「s・o・r・a・t・o」
言われるまま入力する。
パソコンがスタート画面になる。
「パスワード、ソラトって?!」
驚く紅に満足そうに目を細めた空斗が1度立ち上がり、紅の背後に周り背中から抱き込むように座った。紅は長い足の間に閉じ込められる。
「Wi-Fi繋いどいたからすぐにインターネット使える。マンション、インターネット完備で良かった。ほら、ここね」
後ろから腕が伸びてきて、関節が目立つ指がキーを押した。
紅はもう身体中の水分が沸騰してしまいそうだ。
「水沢さん?」
呼ばれて肩がびくんっと跳ねる。
「ーーーー可愛い。耳の先っぽまで真っ赤やで」
空斗の指がサラサラと癖のない紅の髪を弄び、頭の上にリップ音をさせて口付けた。
ギギギ・・・と音がしそうなくらいぎごちなく首を後に回した紅がやっとの思いで言葉を発した。
「け・・・経験ないって言うたから遊ばれてるんですか?わ、わたし・・・」
言いたいことはいっぱいあるのに上手く言えない。