よくばりな恋 〜宝物〜
その時、勢いよく襖が開けられた。
「お姉ちゃん!!お行儀が悪いて」
驚いた紅が振り向く。
そこには黒髪の天使が2人。
お姉ちゃんと呼ばれた女の子と後ろから呼んだ男の子。
女の子は小学校低学年くらいか、顎のラインでキチンと揃えられた絹糸のような髪。大きな二重の瞳は少し釣り上がり、気位の高そうな猫を思い起こさせる。
不機嫌を全面に押し出して、ずかずかと部屋に入って来る。
「ご挨拶は?」
長男夫婦の子供だろうか、ちはやに咎められても気にもせず、紅の横まで来た。
「・・・・・・?え、と、こんにちは」
少し戸惑い気味に紅が挨拶をすると、ふんっと鼻から息を吐き、立ったまま紅を見下ろす。
「・・・・・・ブスね」
「「「藍!!」」」
叱る声が図らずも綺麗なハーモニーになった。
『あい』
何かがストンと紅の胸に落ちてくる。
この天使が「あい」。
「ご挨拶もしないでクソ生意気なこと言うのはこの口かしらっ!?」
ちはやが女の子の口を両側から引っ張る。