【短編】チョコレートは恋の味
「波ー奈ちゃん♡」


4時間目の終わりを告げる終わるとすぐに、羽柴が甘い声で私のことを呼んでくる。


通常の、数倍増しだ。


不覚にも、どきっと心臓が鳴ってしまった。


「何?」


なんかいいことあったの?


「え?忘れちゃったの?」


「・・・・・あ。」


素で忘れてた。


そうそう、羽柴とのチョコ対決。


「え。本気で忘れてたの?」


流石の羽柴も、顔が引きつる。


「というか、羽柴が朝声をかけてくれれば、渡したのに。」


ぶつぶつと文句を言いながら、鞄の中から羽柴用のチョコを取り出す。


甘ったるくした、チョコレートクッキー。


羽柴のだけ、特別製だ。


「うわ、波奈、あっさりしてる。」


手に持ったところで、千宙からの鋭いツッコミが入る。





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