【短編】チョコレートは恋の味
「・・・・ごめんなさい、羽柴君。この子、本当に鈍感ちゃんで・・・。」


何故か謝る、千宙。


「いやいや、今更でしょ。想定内だし。」


若干、顔が引きつってる羽柴。


・・・・・・?


分からない。


この二人の会話が理解不能だ。


「ほら、波奈。チョコとお弁当持って、羽柴と屋上行ってきなさい。」


「はいぃぃぃ?今2月ですけど?」


今の時期、屋上に行くなんて馬鹿のすることだ。


寒いし、寒いし、寒いし。


「文句言わない!さっさと行く!!」


「・・・えー。」


と、言いつつも命令口調の千宙に逆らって、良い思いしたことはない。


悪い思い出しかない・・・。


憂鬱な気持ちを隠すことなく、私は羽柴と屋上に向かった。


* * *

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