浮気の定理


山本と知り合ったのは、彼氏のいない私に、桃子が紹介してくれたのがきっかけだった。



割りといい男なのに、彼女がいないことを不思議に思ったものだ。



だけどなんでなのかすぐにわかった。



3人で食事した時の山本の態度は、明らかに桃子を大切に思ってるものだったから。



きっと桃子の頼みで断れなかったんだろう。



好きなくせにバカだなと思いながら、そんな彼が好ましく思えた。



「私の同僚なんだけど、すっごくいいやつなの」



そう言った桃子の顔が甦る。



まったく……罪な女だ。
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