浮気の定理
食事が終わり店を出たところで、桃子はお見合いおばさんみたいに、じゃあ後はお二人で、なんて言いながら帰っていった。



私と山本くんは仕方なく飲み直すことにして、近くの居酒屋に落ち着く。



「あのさ……実は俺、好きな人がいて……

ほんとに申し訳ないんだけど、真由ちゃんから断ったことにしてくれないかな?」



ビールと軽いおつまみを頼んだあと、山本が申し訳なさそうにそう言った。



「桃子でしょ?」



間髪いれずに、えいひれをくわえながらそう言うと、山本は驚いたように私の顔を見つめる。



「えっ、なんで?それにあいつは結婚してるだろ?」
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