浮気の定理
「ごめんね?遅くなっちゃって」



「いいのよ、たまにはあんたも息抜きが必要でしょ?私も孫と遊べて楽しいし

ね~?花?」



「ねぇ~?」



2歳を過ぎたばかりの娘は、意味がわかってるのかわかってないのか、母の言葉を面白そうに真似る。



夫の勇(ゆう)は銀行に勤めており、当然日中は仕事だ。



だから、私が定例会に出かける時は、近くに住む母に預かってもらうことが習慣になっていた。



そのせいか、花は母にとてもなついていて、今では預けた時にも泣くことなく、バイバ~イと私を送り出してくれる。
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