浮気の定理
だから敢えて話題を変えてみる。



「素敵なお店だね?店員さんも素敵だし」



チラリとバーテンダーの方に目線を移しながらそう言うと、真由は嬉しそうに笑う。



「でしょ?一度、桃子を連れてきたいなって思ってたんだぁ。喜んでくれて良かったぁ、へへ」



そう言って真由は二杯目のカクテルを一口飲んだ。



それからなにかを思い出したように、今度は少しだけ真面目な顔でこちらに向き直る。



「あれから、もう大丈夫?」



主語がなくても、真由の言わんとしてることはわかる。
< 304 / 730 >

この作品をシェア

pagetop