浮気の定理
そうだ……真由は昔から私のことになるとむきになる。



学生時代、派手な女子たちに生意気なんだと因縁をつけられた時も、あの子は真っ先に自分が前に立って助けてくれた。



だからこそ真由には相談できなかった自分がいたことを思い出す。



「そうだったね……真由はそういう子だった

山本が止めたって聞くわけないか……」



どこか遠くを見ながらそう言うと、山本が少し笑って面白そうに口を開く。



「すげーよな?真由ちゃんて、お前の一番のファンですって感じだもんな?俺、負けたよ」
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