浮気の定理
そのとき、ふと山本は真由のことが気になってるんじゃないかと思った。



きっと真由は気づいてないかもしれないけど、もしかしたらって……



少しだけ……ほんの少しだけ胸がチクンと痛む。



今回のことで、信頼できる同僚から、男として意識するようになった自分がいた。



だけどまだ傷つくほどには好きになっていないはずだ。



真由は大事な親友だし、幸せになってほしい。



あの子は自分の幸せにはあまり興味がないところがあるけれど、それでも幸せになってほしいと心から思う。



山本なら申し分ない。
< 349 / 730 >

この作品をシェア

pagetop