浮気の定理
でも最後には真由は笑って、もう大丈夫だからね?と、優しく言ってくれた。



そのために真由が危ない橋を渡ったことは山本から聞いてもう知っている。



ありがたいとは思うし感謝もしてるけど……



「もう私のために危ないことはしないで?

真由に何かあったら、私どうしたらいいか……」



私の隣で機嫌良さそうにチビチビと甘いお酒を飲む真由は、そんな訴えには耳を貸さない。



「やだよ~だ、桃子のピンチにはいつだって駆けつけるつもりだもん」



勝ち誇ったようにそう言い張る真由に、溜め息しか出なかった。
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