浮気の定理

それは突然やってきた。



仕事中、私のパソコンにメールが入ったのだ。



誰からだろう?と開いてみると、それは水落からのものだった。



チラリと水落の机の方に目をやると、にやにやしながらこちらを見ている。



思わず露骨に顔を背けると、パソコンにまた視線を戻した。



――嫌な予感がする。



なんなのかはわからないけれど、直感でそう思った。



小さく息を吐いてから、思いきったようにマウスをクリックする。



「……ひっ」



周りに気付かれることを恐れて、私は悲鳴を呑み込んだ。


同時に両手で口をおさえる。
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