浮気の定理
――なんで?なんなの、これ?



そこに添付されていたのは、まぎれもなくあの日の私の裸体だった。



直視出来なくて、すぐにメールを閉じる。



カタカタと震える手を必死に動かして急いでそれを削除した。



あれは……



明らかに私は眠ってた。



正体をなくした私の衣服を剥ぎ取り、いいようにされてたなんて……



体がガクガクと震え出す。



なかったことにすればいいなんて……



自分の考えが甘かったと思い知らされた。



だからあの男は余裕だったんだと今更ながらに気づく。
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