浮気の定理
「そういえば、こないだ雅人からLINEが来てね?」



桃子からその名前を聞いても、私と山本は特に驚かなかった。



でもそれが桃子には不思議だったらしい。



「二人とも驚かないんだね?もしかしてなんか知ってるの?」



――やばい!



そう思ったとき、山本がすかさずフォローを入れた。



「逆だよ、驚きすぎて、俺も真由ちゃんも声が出なかっただけ」



「そ、そうだよ!久々に名前聞いたからなんかピンとこなかったのもあるし……ねぇ?」



慌てて彼の意見に同調しながら、ボロが出ないうちにまた話を山本にふる。
< 487 / 730 >

この作品をシェア

pagetop