浮気の定理
「そ、だからなんも知らないって。で?あいつがどうしたの?LINEでなんて?」



うまく繋げてくれた山本に感謝しつつ、桃子を見ると、まだ腑に落ちないような顔で口を開いた。



「あ~うん……

なんかね?あんなに慰謝料払いたくないってごねてたのに、急にやっぱり払うから口座番号教えてくれって」



「えぇ!まじで?」


「うそ!良かったじゃん!」



さっきの失態を繰り返さないように、私と山本は示しあわせたように大袈裟に驚くふりをした。
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