浮気の定理
「お前に誘われて仕方なくそうなったんだと言ってるらしい

別れたいけど、別れてくれないと奥さんに泣きついたそうだ」



――はぁ?



なにそれ!逆じゃない!



はらわたが煮えくり返るような怒りが私を襲う。



結局、北川も自分が可愛いんだと呆れたような溜め息が出た。



だけど、本人がそう言ってるなら好都合だ。



これですっきりと別れることが出来るかもしれない。



「なら、問題ないわ

あたしは別れたいって、こないだはっきり伝えたばかりだから」



怒りを静めながら、極めて冷静にそう言えば、父は疑うような目を向けてくる。
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