浮気の定理
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「良かったじゃない?

お父さん、悪い人じゃなかったんだから」



「そうだけどさ……

今さらどんな顔して会っていいかわかんないんだもん」



父から真実を聞かされて、私は家を飛び出した。



知らなかったとはいえ、自分がしてきたことはなんだったんだろうと、恥ずかしくなったからだ。



不思議と母のことはショックじゃなくて、逆に父が自分を大切に思ってくれてたことが嬉しくて……



だけどあんなことを言ってしまったあとで、素直になんかなれなかった。


だからそのまま家を出て、桃子の家に泊めてもらっている。



ワンルームだけどお風呂とトイレは別々の、ちゃんとしたキッチンもついた桃子の部屋。
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