浮気の定理
「うん、大丈夫だよ?どした?なんかあった?」



いくら昔からの友達とはいえ、家庭のある涼子の家に、こんな時間に電話するのは珍しいことだった。



3人とも環境が違うだけに、月に一度会う連絡さえもメールで済ますことが多い。



だからこそ、涼子は電話をかけてきた私に、なにかあったんだと察してくれたのかもしれない。



先にそう言ってくれて、話しやすくはなったものの、どこから話していいものか迷った。



そしてこの期に及んでもまだ、涼子に軽蔑されるのを恐れて、自分の非から話すことを躊躇した。



「うん……あのね?……実は、雅人のことなんだけど……」
< 60 / 730 >

この作品をシェア

pagetop