浮気の定理
「そこの角で大丈夫です。ほんとに図々しく送ってもらっちゃってすみません

でも、助かりました。ありがとうございます」



車が実家のすぐ側でゆっくりと停まった。



山本くんは振り返ると、どういたしましてと小さく笑う。



「僕の方こそ、おかげで涼子さんにお会いできて嬉しかったです

仲良し四人組の話はこの二人から散々聞かされてますから」



その時、真由が急にプッと吹き出した。



「山本くんてば"僕"だってぇ~

なにかしこまってんの?アハハ」



それを桃子がたしなめる。



「真~由、からかわないの!山本が可哀想でしょうが」



「だってぇ~」



クスクス口許を押さえて笑う真由を見て、山本くんはまたガックリと肩を落とした。
< 625 / 730 >

この作品をシェア

pagetop