浮気の定理
そのあと彼に、どう返信したのかは覚えていない。



それほど、衝撃的な事実だった。



けれどそのとき、はっきりとわかってしまったのだ。



自分が友達の旦那さんに恋していたことを……



顔も声さえ知らない相手が今、リアルな存在として脳裏に浮かぶ。



和也さんとは、ありさの結婚式と出産したときに数回顔を合わせただけだ。



それなのに、気持ちはレオさんから和也さんへと移っていく。



その瞬間、勇のことなど欠片も頭になかった。
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