浮気の定理
よいしょと掛け声をかけながら、しゃがんでいた体を一気に起こした。



並んで立っていると、割と身長が高いのがわかる。



私も小さい方ではないけれど、明らかに頭一つ分は大きい。



仕事の時の制服と違って、Tシャツにジーパンといったラフな服装が、いつもより彼を若く見せていた。



――本当はいくつなんだろう?



そんな素朴な疑問が頭をよぎる。



――飲みに行くくらいなら付き合ってあげてもいいかな?



そんな風に思い始めている自分に驚く。



だけど、彼の言うように、職場を知られているわけだから変なことは出来ないだろうとも思っていた。
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