神様お願い 僕を殺してください
そして、少しうつむき。今は遠く、米粒ほどにしか見えない病院をみてつぶやいた。
「それから、人を好きになることがこんなにも苦しい事だって言うのも。」

もう一度天を見て、彼は言う。
「恥ずかしくて死にたい。神様、お願いします!僕を殺してください!」

「殺してください!」という彼の声が天を支配した。全ての音は消え、そこに彼の声だけが静かに残った。
その声が完全に消えるまでには、また1分にも1時間にも感じられる一瞬が流れたのだ。
そして、黙っていた神様が口を開いた。
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